あなたは何て弱い方でしょう

「まあ、あなたは何て弱い方でしょう。私がおぶってあげましょうか。あたしはこんなに瘠せてても、力はトテモ強いんですよ」「馬鹿なことを云うもんじゃない。おれは人の三倍も四倍も重たいんだぞ。そんなことをして、大切なお前が二つに折れでもしたら大変じゃないか」「いいえ、大丈夫ですよ。私は人の五倍も六倍も力があるのですから」「いけないいけない。そんなことをしたらなお人に笑われる。それより休んだ方がいい。ああ、くたびれた」「でも、あとから村の人が追っかけて来ますよ」「虎が追っかけて来たって、おれはもう動くことが出来ない。休もう休もう」 と云ううちに、そこの草の上にドタンと尻もちをつきました。 ヒョロ子は困ってしまって、立ったまま四方を見まわしますと、ずっと遠方から馬車が一台来るのが見えました。ヒョロ子は喜ぶまいことか、大声をあげて、「馬車屋サーン。早く来て頂戴よ――」 とハンケチを振りました。「何、馬車が来た」 と豚吉も立ち上りましたが、背が低いので見えません。「何だ、草ばかりで見えやしない」「そんなことがあるもんですか。ソレ御覧なさい」 と云ううちに、豚吉を抱えて眼よりも高くさし上げました。「アッ、見えた見えた。オーイ、馬車屋ア――。早く来――イ」 と豚吉も喜んでハンケチを振りました。 これを見た馬車屋のおやじはビックリしました。

— posted by id at 10:29 am  

T: Y: ALL: Online:
Created in 3.7058 sec.

http://2ch-tool.net/